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〝ウィズ植込み型除細動器〟でシャバへ

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【心肺停止から蘇り日記】恥ずかしながら帰ってまいりました! 心肺停止で倒れ、身体と脳機能に障害が残った50代独身(バツイチ)の女性医療ライターが、ついに退院しました。

 昨年の11月に新橋から浜松町に向かう山手線内で意識を失い心肺停止状態になり、救急車で運ばれた私。名前も顔も知らない乗客の方、駅員さん、救急隊のみなさんの迅速な対応のおかげで生き延びました。急性期病院ではS―ICDシステム(皮下植込み型除細動器)を入れ、その後、リハビリ病院で天国と地獄を味わい、ついにシャバに戻ってくることができました。奇跡的に後遺症もありません!

 そんなわけで、入院中にもずっとシャバシャバ言って、2回脱走に失敗し、外泊させろとずっと毒づいていました。退院した今、シャバの空気は改めてうまい! 漢字では「娑婆」と書くんですよね。おばあちゃんが数人いるような雰囲気ですが、元は宗教用語。外の自由な世界を指しています。退院後、リハビリ病院の外来を訪れた際に、病棟の看護師長さんにあいさつに行ったら「やっぱりシャバはいいでしょ?」と笑顔でつっこまれました。よくおわかりで(笑い)。

 何も変わっていないようですが、明らかな変化はこの写真を見ると一目瞭然。“ウィズ植込み型除細動器”で不整脈に気をつけながら、人生を過ごしていく覚悟を決めたわけです。

 なのに、シャバに慣れるのはあっちゅーま。スグに薬飲み忘れがちに。「脳梗塞も心筋梗塞も再発する人は、やはり薬をちゃんと飲んでいない人」という看護師さんの言葉がよぎります。自分はちゃんとできると思っていましたが慢心でした。服薬管理するお助けアイテムを購入して気をつけています。

 退院後、酔っぱらってドアに指を挟んで整形外科に慌てて駆け込んだ時がありました。

 問診票を前にして、記入事項がいっぱいあることにビックリ。これまで大きな病気をしたことがあるか、飲んでいる薬があるか。「心室細動」「薬は飲んでいるが今はわからない」など適当に書いて提出したら、「こんな恐ろしいことつらつら書いてるのに、酔っぱらってドアに指を挟んだ? お薬手帳を持ってない? 信じられない。ほんとに、よくよみがえりましたね」と説教を受けました…。「あなたが、今度また倒れても、誰もあなたのことを知らないんですよ。お薬手帳がなければお薬も出せません。自分を守れるのは自分だけ!」と。確かにそうですと猛反省。

 ちなみに最近、飛行機に乗った時です。セキュリティーゲートで何度もピーピー、ピーピー。そこで「あっ、私、植込み型除細動器入ってるんです」と思い出しました。人間なんてそんなもんです。

https://www.tokyo-sports.co.jp/social/health/2189220/
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