新型コロナウイルスが再び猛威を振るい始めた。12日、東京都では206人の感染者が新たに確認された。これで4日間連続で200人を超えたことになる。大阪では同日、32人の感染が確認され、感染状況基準の「大阪モデル」に照らし合わせ、警戒を呼び掛ける「黄信号」が点灯することになった。時計の針が緊急事態宣言の出た4月に戻ろうとしている。そうした中、22日からスタートする「Go To キャンペーン」には不安視する声が高まっている。
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立憲民主党の枝野幸男代表は12日、「何もせずに放置している状況は許されない。少なくとも東京を中心にして緊急事態宣言を出すべき客観的な状況だ」と指摘。一方、菅義偉官房長官は11日に「政府としては今の社会経済活動を進めていくという方針には変わりありません」と再宣言を否定。4月よりも病床に余裕があると述べ、状況が異なるとの認識を示した。
また、西村康稔経済再生担当相は12日に「首都圏一体で取り組むことも大事だ。感染状況を見ながら休業要請も考えないといけない」と話した。感染者が増えているホストクラブをはじめとする“夜の街”を念頭に置いているとみられる。
政府は緊急事態宣言に後ろ向きだが、4月のときは宣言を望む世論に押し切られた。このまま無策のまま、感染者が増え続ければ、再び宣言を望む世論が高まりかねない。
JNNの世論調査では政府の緊急事態宣言を再び発表する状況にないとの認識について「支持する」が44%、「支持しない」が48%だった。4、5日の調査でこの結果なのだから、連日200人超の今なら「支持しない」がもっと増えているとみられる。
再宣言を望む声は風俗業界にもある。あるデリヘル嬢は「緊急事態宣言出してほしいですよ。前回、デリヘルは休業にならなかったけど、今回は店も閉めてほしい。コロナ中はなぜか風俗嬢の性病感染が増えたのですが、嬢と客で“ピンポン感染”してるんですよ。これ、コロナも同じことになりませんか? 2週間くらいしっかり休業にしてもらった方が安心して働ける」と訴える。
経済を停滞させないために宣言は出せないという政府の言い分について一理あると考える人はいるが、結果的に政府がコロナを全国に拡散しようとしていることには批判が多い。
それは政府が推進する「Go To キャンペーン」だ。同キャンペーンは宿泊代金の割引など、コロナで落ち込んだ旅行需要を喚起するもの。感染者が増加しているというのに、22日からスタートすることになっている。
都内在住の40代女性は「県外の実家にも迷惑かけたくないから帰れないのに、旅行なんてなおさら行けませんよ。宿泊先で住所を書くときに『東京都』なんて書けないじゃないですか」と困惑している。夏休みやお盆で帰省を考えている多くの都民が似たような思いをしているのではないか。
75日ぶりに感染者が明らかになった福井県の例では、感染した30代男性は東京出張から帰ってきたばかりだった。青森県でデリヘル嬢の感染が発覚したケースでも、直前に東京のホストクラブに行っていたことが分かっている。同キャンペーンにより、東京から地方にコロナが拡散されかねないのだ。
歌舞伎役者の市川海老蔵は12日、ツイッターで「夏にかけて このままgotoキャンペーンで良いのかしら、、」と不安な気持ちをこぼしている。
同キャンペーンの予算は1兆6000億円。これで日本中にコロナを広げるよりも、野党が言うように、これを観光業者への直接支援に使うほうがいいとの声も多くなっている。
キャンペーンの行き先が緊急事態宣言になってはシャレにもならない。
風俗嬢がGo To キャンペーンに異議「緊急事態宣言出して!店も閉めてほしい」
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