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まとめ

あのパチンコ店幹部に「時短営業要請」について聞いてみたら

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 1月13日に決算会見を行った、午後8時までの時短要請に応じているサイゼリヤの社長は、政府がランチでも感染リスクが高いと注意を呼びかけたことに対し「ふざけんなよ」と本音を漏らした。ファミリーレストランチェーンであるサイゼリヤ社長の発言に対しては、ネットでも応援の声が大きいが、政府や行政がこれまで、新型コロナウイルスの感染対策について、やや的外れで不注意な注意喚起をしたため、様々な産業に大きな影響を及ぼしてきたのは事実だろう。2020年の緊急事態宣言発令当時、もっとも激しいバッシングを浴びていたパチンコホール業界は、二度目の緊急事態宣言をどう受け止めているのか。俳人で著作家の日野百草氏が聞いた。

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「ホールは日本でも有数の安全度だと思いますよ、胸を張って言えます」

 相変わらずの貫禄。関東近郊のパチンコ店幹部、西口真二さん(仮名・48歳)とは半年ぶりの再会となった。思えば4月、コロナによる第1次緊急事態宣言直後、新型コロナウイルス感染拡大の犯人かのように仕立て上げられ、一部は晒し者にされた。最終的には日本全国の98.7%のホールが休業要請に応じた。これは全業種と比べても圧倒的な協力体制。それでも犯人とされたのは、パチンコ店だった。

「ただの1度もクラスターなんか出してません。これは事実です。これ、前も言いましたね」

 筆者は昨年、『「私たちの勝ちですよ」休業を選んだパチンコ店幹部は言った』や『パチンコ店幹部に先行きが心配かと聞くと、笑って首を振った』と題した記事などで西口さんに話を伺い、他社で執筆した記事も含め『自粛圧力・三密批判……パチンコ店幹部が語った「魔女狩り」との闘い』として『誰も書けなかったパチンコ20兆円の闇』(宝島社)にまとめた。西口さんは高校時代(筆者と高校は別)、千葉県柏市の人呼んで「マル地下」のゲームセンターに集まったオタク仲間の一人だった。そして今回も、そのマル地下で営業し続ける蕎麦屋で話を伺った。やはり柏はいい街だ。旧そごうの展望レストランが見えてくると嬉しくなってしまう。

「三密も今や昔、です。エビデンスなんかなかった」

 第1次緊急事態宣言で喧伝されたのは「三密」だった。政府は新型コロナウイルス感染症対策本部(令和2年3月 28 日決定、令和2年5月25日変更)の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針 」文書の中で、密閉空間、密集場所、密接場所の3つを「三密」として、クラスター発生のリスクが高いと発表した。

「これがパチンコバッシングにつながったわけです。とばっちりを受けたのは同じ風営(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、風営法のこと)のゲーセンや興行場の映画館ですね。密閉、密集、密接。確かに政府からすれば三密です」

 風営法上、パチンコは4号、ゲームセンターは5号。映画館は風営法ではなく興行場法上の営業となる。共通するのは三密とされ、そのほとんどが第1次緊急事態宣言で休業したこと。しかし、これらの場所でクラスターは発生していなかった。

「そうです。クラスターは発生してなかった。事実ですね。その後はホールやゲーセンは通常営業、映画館はずっと『鬼滅の刃』ですが、それでも発生しなかった」

 そう、緊急事態宣言終了後、通常営業に戻ってもホールやゲームセンターからクラスターは発生しなかった。ましてや、2621万人(!)もの動員を記録した「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(興行通信社1月12日発表)を上映した全国すべての映画館から発生しなかった。どれも昨年、「三密」だとして休業させられた業種である。

「それは仕方ない、コロナがなんなのかわかんないんだから。でも休業要請に従っても”潰せ”という意見は怖かった。自分の気に入らないものや自分に関係ないことには残酷になれるんです」

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